チェンジメーカーが世界を変える

昨日、チェンジメーカーの著者である、渡邊奈々さんの講演に行ってきた。
最近、社会企業に関するセミナー、勉強会ばかりで、デジタル、webサービスの勉強がおろそかになってる気がするこの頃…(あ、でも最近「ソーシャルメディア×社会貢献」という勉強会には行ってきた。思うところが結構あったので、その話は後々、違うテーマとからめて書くつもり)

昨日のモデレーターの後藤宗明さん、講師の渡邊さんともに、非常に勉強になる御話をたくさん伺わせて頂いた。最近Ustはやっていて、どんなセミナーに行っても、結構使われるようになってきたけど、やはりライブ感というのは大事だなと痛感。すごい人たちの熱というかパワーを直接感じることはやはり貴重だ。

渡邊さんは元来写真家であるのに、こういった社会起業家を応援する立場に立つようになったのは、「日本には若者が目指すべき、目指したいと思えるロールモデルがもういない。」ということに気付いたからだという。
若者、子供にとって、「こういう風になりたい」という思いは、奮起する動力源にもなるもので、絶対に必要なもの。日本にいないなら、世界のそういう人たちを知らせることが必要なんじゃないかということで、雑誌「PEN」での特集を始めた。一時は断られたらしいが、2001年ごろから日本でも「社会起業」という言葉がはやりだして、その後ようやくスタートした。

2010年の今では、「社会起業」は更にはやっていると言ってもいいだろう。一種のブームのようになっている。フローレンスやtable for twoなど、世間を賑わすNPOが増えだし、本屋に行けば、「社会起業コーナー」なるものも登場している。
しかし、どれだけブームになり、社会起業家を目指す人がいようとも、日本にはまだ、受け皿がないというのが現状だ。非営利組織で働く職員の平均年収は200万円程度で、アメリカの半分程度。地方で暮らすならまだしも、都会で結婚して子供を持ってという生活はほぼ絶対にできないぐらいの収入しか得ることができない。

そんな状況を変えるには社会起業家が増えるだけではなく、その他の起業、政府、法律、社会システムも変わらなければないと渡邊さんは言う。
そのひとつとして、日本人は高校卒業後、大学入学前に1年間途上国にボランティアに行くことを義務づけることを挙げていた。また、政治家も行ったほうがいいと。

従来の公共サービスだけでは、足りない部分がある。その部分をNPOが担っている。そのためには、政府、起業、非営利組織の融合が必要で、それが進みつつあるというのは私もわかる。
でも、現時点ではどう変えていいのか、俯瞰的な視点は私にはまだない。ひとつのテーマの解決を図りながらも、その俯瞰的な視点を持つことが今後の私には必要になってくるんだろう。

特徴的だった、渡邊さんの言葉で「教育というのは、変わらない構造の中での一定のルール、常識を教えるもの。変わりつつある現在においては、そんな教育は意味がない」というのがあった。
私も日本の現状では、思考させたり、視野を広げるための教育をあまりされていないことに疑問を感じていたので、非常に共感できた。
また、「安定が不安定につながる時代になった。もっとも安定した選択肢は自らがセフルフスターターになるということ。」というもの。上記と似通っているが、自ら考え、行動し、新しい道を開拓していかねばならない時代になったということなんだろう。

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える